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2021/03/15

最近のディーゼルエンジンについて

皆様こんにちは、唐沢農機サービス農機部門サービスの古越です。

今回は、よくトラクターや耕耘機などの農業機械のエンジンの種類でディーゼルエンジンといわれるのがありますが、どんな構造のエンジンなのでしょうか? ディーゼルエンジンのことについてブログを書きたいと思います。

ディーゼルエンジンとは

ディーゼル機関とも呼ばれる内燃機関であり、ドイツ人の技術者ルドルフ・ディーゼルが発明した往復ピストンエンジンで、1892年に発明されました。

ガソリンエンジンが電気火花による火花点火方式の点火方式ですが、ディーゼルエンジンは点火方式が圧縮着火でする「圧縮着火機関」に分類され、ピストンによって圧縮加熱した空気に燃料を噴射することで着火させる。液体燃料は発火点を超えた圧縮空気内に噴射されるため自己発火します。

なので、ガソリンエンジンについているスパークプラグがディーゼルエンジンには存在しません。

燃料の供給装置について

ガソリンエンジンだと燃料を気化させエンジンに供給させるキャブレターという部品がついていますが、ディーゼルエンジンにはついておりません。

その代わりに、燃料を高圧力にして噴射する装置がついております。

噴射装置の種類ですが、列型噴射ポンプ式というのがあります。特徴としては、1つのプランジャーポンプが1気筒の燃料加圧と吐出を担当し、気筒数分のポンプが一列に並んでいる構造となっております。あとは、低速回転から噴射量が安定するので、主に排気量の大きいエンジンに用いられます。

列型噴射ポンプ式

次に、分配型噴射ポンプ式の特徴は、1つのプランジャーポンプが全気筒の燃料加圧と吐出を担当しており、プランジャーポンプが全気筒に共有されております。主に小型のエンジンに用いられます。

分配型噴射ポンプ式

上記2種類は、昔からある機械的な構造です。なのでどうしても燃料の噴射タイミングのずれ等が発生してしまい黒煙などが発生しやすいです。

次に、最近大型農機でも多くなったコモンレール式の燃料噴射装置は、サプライポンプという共通の圧力管に高圧燃料を蓄えてから、気筒ごとに電子制御弁を内蔵した噴射ノズルで噴射し、この電子制御弁が噴射のタイミングと噴射量を分担し、高圧で多段噴射をします。

ちなみにインジェクターの種類もいくつかあり、ソレノイド式インジェクターは1,800気圧の高圧燃料を1サイクルあたり5回ほど噴射します。もう一つの種類のピエゾ式インジェクターは2,500気圧の超高圧で燃料を1サイクルあたり9回噴射します。

電子制御が介入し、どうしてこんなに高性能になっていくかというと、近年環境問題が騒がれ、すでに車やバイクには厳しい排ガス規制がかけられております。農業機械も例外ではなく、最近では小型の機械に搭載されているエンジンにも排ガス規制がかけられています。

排ガス規制

排ガス規制に適合させるため、各メーカーはEGR装置「排ガス再循環装置」、DPF装置「ディーゼル・パティキュレート・フィルター装置」、また尿素SCRシステムが搭載されてきております。

まとめ

いずれにしても、これから農機の修理には高度の技術や知識が必要となってきております。

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