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「令和の百姓一揆」が起きた本当の理由|米価は下がり続け、肥料は高騰…

皆様こんにちは!広報チームのツタケです。
普段は現場の情報を発信している私たちですが、普段は農業機械や現場の情報をお届けしていますが、今回はどうしてもお伝えしたいことがあり、この記事を書きました。
2025年4月、全国の農家さんたちが「#令和の百姓一揆」として声を上げました。最初は驚きましたが、農家の方々と日々接している私たちにとって、決して他人事ではありません。
「作っても赤字になる米」「若者の農業離れ」「上がるコスト、変わらない価格」——これらの声には長年の現場の苦しみが詰まっています。
この記事では、「令和の百姓一揆」の背景と、農家さんたちが何を訴えているのか、農機具屋の視点でお伝えします。
〜令和の百姓一揆はなぜ起きたのか?〜
2025年4月、日本の農業界において歴史的な出来事が起こりました。
SNSを中心に「#令和の百姓一揆」というハッシュタグが拡散され、全国各地の農家たちが声を上げました。農業者による抗議行動、JA(農協)や各地方自治体への要望書提出、トラクターによるデモ行進などが一斉に報道され、「まるで現代の一揆だ」と多くのメディアが取り上げました。
しかしこれは、突発的な感情の爆発ではありません。
数年にわたる米価の低迷・農業資材の高騰・後継者不足・制度的不信感など、農家が抱えてきた深刻な課題がついに表面化したものです。

農家は何に怒り、誰に訴えているのか?
SNSや現場での声を通じて可視化された「令和の百姓一揆」。
単なる「不満」や「嘆き」ではなく、未来に向けた強いメッセージが込められていました。
農家さんたちは誰に、何を訴えているのか?
その核心にある“3つの要求”と“訴えの対象”を、以下に整理します。
✅訴え①:所得保障が必要だ
最も強く叫ばれたのが、「農家の収入の低さ」に対する怒りです。
農水省のデータ(2021〜2022)によると、家族経営の農家における労働報酬は、作物や規模によって大きく異なりますが、時給換算で10円〜300円台という例も。
これは、フルタイムで働いても生活できないレベルを意味しています。
このような状況から、農家たちは「所得保障制度の導入」を強く訴えています。
💡 所得保障とは?
所得保障とは、農業で得た収入が一定の基準を下回った場合、その差額を国が補填する制度です。
たとえば、年間の農業収入が150万円しかなかった場合、生活に必要な最低限の額(例:250万円)までを補う仕組みです。
海外の先進例:
🇫🇷フランス
EUの「直接支払い制度」により、農家所得の約50%が補助金でカバー
🇩🇪ドイツ
環境に配慮した農業には加算補助(=事実上の所得保障)
🇺🇸アメリカ
市場価格が基準以下になった際の**価格損失補填(PLC)**や、収入保険制度を整備
このように、先進国ではすでに農業を「生活が成り立つ職業」として支える仕組みが確立されています。
✅ 訴え②:コスト高騰に支援がない
次に農家たちが訴えているのが、肥料・燃料・資材・機械などの価格高騰に対する支援の欠如です。
「肥料は2年前の1.5倍、燃料代も上がってるのに、米の価格は据え置き。
作れば作るほど赤字になる構造。こんなの続けられない。」
とくに酪農家では飼料価格の高騰が直撃。
2022年以降、「牛乳を出荷するほど赤字になる」という状況に陥るケースもありました。
これは農業だけでなく、日本の食の安全保障にも関わる深刻な問題です。
✅ 訴え③:若者が農業を続けられない
3つ目は、農業の未来を担う若い世代の脱農です。
土地も設備も高すぎて、“新規就農”はギャンブル。やりたい人はいても、始められない。高額な機械投資、土地取得のハードル、気候変動リスク…。
農業を始めようとする若者にとって、日本の現状はあまりに厳しすぎるのです。
農家さんは誰に向けて訴えているのか
1.政府(国)
・所得保障の導入
・コスト高騰への補助金制度
・農政の抜本的見直し
2.国民・消費者
・「安い米・安い野菜の裏にある農家の犠牲を知ってほしい」
・「選ぶ商品の背景に、作り手の現実があると気づいてほしい」
この訴えは、私たち消費者一人ひとりにも向けられています。
3.農協・業界団体
・現場の声を吸い上げてほしい
・実効性ある改革を共に進めてほしい
農家さんは、現場の声をもっと聞き、構造を一緒に変えてほしいと訴えています。
この動きが問いかける「日本の未来」とは?
「令和の百姓一揆」は、ただの抗議ではなく、日本の食と農の未来を問う運動でした。
農業が成り立たない国に、食料自給は存在しません。
農家が消えていけば、農地も、伝統も、文化も、次世代に残せなくなります。この動きは、国の政策転換を迫るだけでなく、私たち一人ひとりが食について考えるきっかけを与えてくれました。
まとめ
今回は「令和の百姓一揆」についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
農家さんの現状を知らないという方は多いと思います。
でも、今回の出来事は決して農家さんだけの問題ではなく、日本全体に関わる大きな課題なのだと、私たちも改めて感じました。
食べ物が当たり前にある日常。その裏には、たくさんの努力と苦労があります。
その努力が報われない仕組みのままで、本当にこの先も「安心して食べられる日本」が続いていくのでしょうか..。一人一人がしっかり向き合わなくてはならない問題ですね。
私たち唐沢農機サービスも、現場の声に耳を傾け、農家さんを支える存在であり続けたいと思っています。小さな発信かもしれませんが、この記事が少しでも多くの人に届き、考えるきっかけになれば幸いです!
当社の社長がYouTubeにて『令和の百姓一揆』について詳しく紹介してます⬇︎
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