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日本の米作りを変えるスマート農業システム! クボタのほ場水管理システム WATARASをご紹介

現代の農業は、テクノロジーの進化により大きく変化しています。 特に、ほ場管理における効率化と精密化が求められる中で、クボタが提供する「ほ場水管理システム WATARAS」は、革新的なソリューションとして注目を集めています。本記事では、WATARASがどのようにして農家の皆さんの作業を支援するのか、その特徴や利点について詳しくご紹介します。
日本の米作りを変える画期的なシステム、WATARASとは?
WATARASは、クボタが開発したスマート農業システムで、主に水田の水管理を遠隔で行うことができるシステムです。IoT技術を駆使し、センサーや通信機器を使って田んぼの状態をリアルタイムで監視し、必要に応じてアプリを通じて灌漑調整が可能です。
主な機能
- リアルタイム監視: WATARASは、土壌中の水位や温度、湿度をリアルタイムで測定し、そのデータをクラウド上に送信します。これにより、農家さんはスマホやPCを使って遠隔地からでもほ場の状態を把握できます。
- 自動制御: 設定した条件に基づき、自動で給水や排水を行います。例えば、一定の水位を下回った場合に自動で給水を開始し、設定した水位に達したら自動で停止するなど、きめ細やかな管理が可能です。
- データ分析: 蓄積されたデータを基に、長期的な栽培計画の改善に役立つ分析が行えます。これにより、収量の最適化や水資源の効率的な利用が期待されます。 WATARASの利点
このシステムの最大のメリットは“収量をアップできる”ということ
収量の安定化: 気象条件や水管理の不備から発生する収量の変動を最小限に抑えることができます。安定した収量は農家の経営安定に直結します。
作業負担軽減: 従来、頻繁に水田を見回り、水の管理を行う必要がありましたが、WATARASを使用することでその手間が大幅に軽減されます。これにより、農作業の効率化が図れ、他の重要な作業に時間を充てることが可能です。
環境への配慮: 適切な給水・排水管理により、水の無駄遣いを防ぎ、環境保護につながります。特に近年の異常気象による水不足問題において、持続可能な農業への貢献が期待されます。
導入事例
水の使用量20%削減の事例も
これまでも多くの農家がWATARASを導入し、成功を収めています。ある農家では、導入初年度から水の使用量を約20%削減し、同時に稲作の収量も10%向上したという事例もあります。
適期にしっかりと水管理ができることで、1反あたり120 kg~140kgの収量アップが図れ、ほ場あたり12万円~13万円の収益増につながっているという事例も。費用対効果は非常に高いですね。水管理が遅れがちな兼業農家の課題もクリアできます。
これらの成果は、WATARASがもたらす精密な水管理の力を示しています。
導入時の注意点
WATARASを導入する際には、いくつかの設備が必要です。
まずは、農場の規模や特性に応じた適切なセンサーの種類や数を選ぶこと。
また、システムの運用にはインターネット環境が必要となるため、地域や場所によっては通信環境の整備が必要になる場合があります。
そして昨今話題になっている太陽フレアに関しては注意が必要です。太陽フレアによる農機具への影響についての詳細はこちらで詳しく解説しています→https://www.karasawanouki.co.jp/blog/20241015kk/
まとめ
クボタのほ場水管理システム WATARASは、農業のデジタル化を推進し、効率的かつ持続可能な農業経営を可能にするツールです。水資源の有効活用や作業軽減、収量の安定化といった多くの利点を提供し、これからの農業を大きく変革します。
これからの日本の農業は、農作業の省力化・効率化が急務です。農家の担い手は高齢化が進み、人材不足も深刻です。農機具による作業負担の軽減や、人手を補う技術が早急に求められているのが現状です。
そういえば以前、九州のメロン農家さんにお話しをうかがったとき、熟練の高齢農家の親方さんに就いて一所懸命メロン栽培を学んでいらっしゃる20代の若い農家さんがいました。メロンは昔から温度管理が重要で、24時間ハウスの温度調整を管理しなけれればならないのが本当に大変だったと親方は話しておられましたが、隣で後継者の方がニコニコと「今は自宅でスマホでピっですから」と笑い、親方も「いい時代になったもんだ」と笑っていらっしゃったのが印象的でした。スマート農業が若い世代の就農に必要不可欠であることを実感しましたね。
現役世代の離農や継承者の不在などにより、農地の集約・集積が進んでおり、農家の規模は拡大傾向。こういった背景からの農家の大規模化に伴って、高性能の農機具を求める需要も高まる一方です。
また、集落営農からの法人化や、一般法人の新規参入などを背景に、大規模経営を行う法人も増加傾向です。
こうした農業経営の規模拡大には、広大な農地管理や大量生産を効率的に行える農機具が必要不可欠です。
変容を遂げる日本の農業。
技術の進歩を活用し、農業の未来を支えるWATARASのような技術が、皆様の農業に役立つことを期待しています。