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二代目企業は潰れる。二代目起業は売り上げを10倍にする。
「オワコン」というコトバをご存知ですか?
「おわコン」とも「終わコン」とも書きますが、「終わったコンテンツ」のことです。
「オワコン」とは、一時は繁栄していたが、現在は見捨てられてしまったもののことをいうネット用語。
いわゆる「斜陽」、落ち目になったものを示しています。
ただ、「オワコン」はネット流行語大賞にノミネートされるなど、2010年頃から大いに流行り一世を風靡しましたが、5年後ぐらいからはあまり使われなくなり、「オワコンというコトバ自体がオワコン」と言われるようになりました。
皮肉なものですね。
象徴の意味で、あえて、いまや死語になったこの「オワコン」を使いますが、近年「オワコン」になってしまった産業を挙げてみましょうか。
やはりインターネット普及のあおりを受けている、新聞業界、出版業界。
それに伴って印刷業界も退潮著しいものがあります。
音楽業界も一時期の隆盛がウソのようです。
農機具屋も、オワコン
ところで、インターネットと関係なくずっと「オワコン」の一途をたどっている産業がありますよね。
そう、農業です。
農業の総産出金額は、この20年で3兆円も減少しています。
1960年には600万戸ほどあった農家も、いまでは200万戸程度。
農業従事者の高齢化や後継者の不足が大きな原因です。
当然、農業とは切っても切れない共同体である、我われの農機具業界も紛れもない「オワコン」。
お先真っ暗な斜陽産業といえるでしょう。
そんな状況の中、わたしは父親が25年間続けてきた農機具屋を引き継ぐことになりました。10年前のことです。
よく「初代が創業して、二代目で傾き、三代目が潰す」と言われるように、二代目以降は衰退するのが世の世襲会社の常ではありますが、わたしの場合はちょっと違いました。
先代が汗水たらして稼いだ年商は最大で2000万円。
それを二代目のわたしが、10年間で2億円までにしたのです。
売上げを10倍にできた原動力
二代目が、先が見えない「オワコン業界」である農機具屋を継ぎ、売上げを10倍にした要因を挙げるとすると。
- 【二代目起業】二代目が事業を単に継ぐのではなく、“起業”として位置付けたこと。
- 【無知の知】経営に関してはまったく無知だということを知り、一から学習したこと。
- 【木を見て森も見る】1日という単位で財務を管理しながら、全体を把握したこと。
- 【信頼は積み重ねて築くもの】先代の技術と顧客から厚い信頼を得る方法を学んだこと。
- 【農業×IT】アナログ産業の農機具屋に先進的なマーケティングとITを導入したこと。
- 【目標はより具体的に】理論に則ってしっかりとした具体的な目標をたてたこと。
- 【学力よりも実力】自分より優秀な人材に入社してもらい、いっしょに仕事をしたこと。
などなど、いろいろありますが、いちばんの原動力になったのは、次のコトバです。
「あきらめなければ、夢は必ず叶う」
このシンプルなコトバのパワーで、わたしは10年目にして売り上げを10倍にしました。
斜陽の農機具関連会社。
こんな時こそ、いっしょになって業界を守りませんか。
こうして、わたしは衰退する一方の農機具業界を盛り立てているつもりですが、踏ん張りきれない農機具屋さんも少なくなからず存在するのも現実です。
先日、知り合いの農機具屋の社長さんから相談を受けました。この方も二代目で、年齢は60代。
「後を継いでくれる者もいないし、収益的にも下降気味なのでいっそ止めようかとも思うけど、馴染みのお客に申し訳ない。後のメンテナンスがどうなるかわからないから、今は機械を積極的に売り込むことはしていない」とのこと。
「従業員も少なくなり、みんな高齢者だから昔ほどのペースで作業ができなくなっているので、修理なども外に依頼してやってもらうこともある。それに、父親といっしょに立ち上げた法人だから、せめて自分が生きている間ぐらいは会社の名前も残したい」とも、おっしゃっていました。
この時、頭に浮かんだのが、『だったら、わたしが後継の役割をすればいいのでは?これまで10年間やってきたことをそっくりそのままやれば、廃業の危機から救ってあげられるかもしれない』。
そこで、わたしが出した提案は、「では、ウチと業務提携を結びませんか」でした。
弊社が提案する業務提携の形
業務提携や合併というと、“買収”とか“吸収”とか“出資率”とか、きな臭いコトバが行き交うイメージがありますが、この関係はフレンドリーなものにしたい。
業務提携とはいっても社名も社長もそのまま、技術者が高齢化しているのなら、こちらから若手の整備士を派遣するし、収支管理がおぼつかないのであれば、財務面をわたしたちの方で面倒をみる、というものです。
いろいろな農機具屋さんがありますが、皆さんちゃんとした技術があり、営業のスタイルもさまざま。
それ相応の自信をもっておられると思います。
わたしのいう業務提携とは、農機具屋さんがこれまで大事にしてきた主体性はそのままに、足りないところを補い、弱い所を強化していくというもの。
あくまでもパートナーの独自性を最優先する業務提携です。
同じようなことでお悩みではありませんか?
相談を受けた農機具屋さんとパートナーシップを組む件は現在進行中ですが、同じ事業承継の悩みをかかえている同業者もいらっしゃるかもしれません。
わたしと一緒に、これからのことを考えてみませんか。
もし、わたしの10年間のノウハウがお役に立てるのであれば、惜しむことなく提供いたします。
同業者のためにも、これからの業界のためにも、日本の農業の将来のためにも、わたしは最善を尽くすつもりです。