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【農業関係者必見!その②】長野県の農業に関する将来予測のカギ ~リソース不足からの脱却~
皆さま、こんにちは!
ノウキナビ事業部サービス担当”オオキ”です。
先月のブログでは気候変動(適応分野)についてお話しさせて頂き
農業と気候変動は極めて密接な関係にあるという点をご紹介致しました。
”適応”は非常に幅の広い分野課題がありますが、
その主なものとして挙げられるのは
”防災”や”農業”などです。
2021年の秋に英国・グラスゴーで行われた
気候変動枠組条約締約国会議(COP26)では
この”適応分野”に世界の投資の半分を集中させていく
ということが実質的に決まり、昨年のCOP27では
本格的に国際的な議論が展開されています。
つまり、我々が携わっている農業・農業機械化という分野は
実は今まさに再び世界的な脚光を浴びている状況なんです!
にも関わらず、ヒト・モノ・カネ・技術というリソース不足により
適応策が進んでいかないというのが世界的な実情となっています。
ましてや、地方や中小企業であれば尚更ですよね…
しかしながら「ない・ナイ」づくしで悩んでいても何も始まりません。
それどころか、地方自治体や企業、地域の住民が、この潮流に何もせず
立ち止まってしまえば瞬く間に淘汰されていってしまう厳しい状況です。
では、そうならないための秘策は?
本日はそのヒントを見ていきましょう!
リソース不足の改善のために
※少しだけ農業から話題が逸れます。ですが、我々農業従事者にも
深く関係する内容ですので、ご覧ください。
「先立つもの」「原資」がないから、という言い訳は
もはや過去の議論です。それは一体何故でしょう?
答えはカンタンです。
秀でた取組みで世界的な注目を一度でも集めれることができれば
世界中から潤沢な資金を集めることなど一瞬でできる時代だからです。
ここでいう”秀でた”とは、会社や組織の利潤の追求だけでなく
その結果として、社会的パイを拡大し、地球規模の課題解決に
資することのできるアプローチ全体を指します。
各国の素材や文化を活かした付加価値の高いものづくりを続け
開発途上国の職人の可能性にスポットを当てた活動を行っている
株式会社マザーハウスさんをはじめ、アフリカを中心にIT教育の
提供や雇用創出の機会に貢献している株式会社DIVE INTO CODE
さんなどの活動を見れば、火を見るよりも明らかですよね。
20世紀は「競争」の時代と言われてきましたが
これからの世界は「協力」の時代です。
また、このようにグローバルスケールでの注目が集まりさえすれば
当然のことながら、国としても無視できなくなるわけです。
そうなってくれば、資金など幾らでも集まってくる結果につながります。
近年よく耳にする”グリーンエコノミー”や”グリーン対策”などは
その顕著な例と言えます。
ネットゼロ(※1)に必要な資金は、シナリオによって異なりますが
年に3.4~8.1兆USドル(日本円で約450兆円~1,000兆円程度)と
試算されています。
また、「今後30年間で推定100兆USドルの資金提供が可能」であると
グラスゴー金融連合(GFANZ)が宣言したと一部メディア等でも
取り上げられ、一時期話題をさらっていたことを覚えている方も
多いかもしれません。
2021年に発足した金融機関等の7ネットゼロ・ファイナンスの
アライアンス参加企業は現在では500以上になり、
その全金融資産の額は130兆USドルという途方もない金額です。
つまり、これらのことが意味するのは
持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定、仙台防災枠組(※2)
などの国際的なフレームワークに沿った活動を行っていない
企業等は今後銀行からの融資も受けられない状況へと
追い込まれていくことと同義であるという点です。
これは大企業に限った話ではありません。
遅かれ早かれ、中小企業はもちろんのこと、
地方自治体であっても、あるいは個人であっても同じことでしょう。
なぜなら、気候変動は都市部や大企業だけの問題ではなく
宇宙船地球号の乗員である全ての地球人が一致団結し
2030年までに解決しなければ手遅れとなってしまう大問題だからです。
弊社でも、こうした状況を鑑み、貧困や飢餓の削減のために
現在アフリカ・ケニアで活動を開始しています。
※1
大気中の温室効果ガス(GHG)排出量が除去量と差し引きゼロになる状態
※2
これら3つの国際枠組は、2015年にそれぞれ国連で採択されたもので
2030年までの間に人類が達成しなければならないグローバルターゲット/
グローバルゴールを設定しています。また、それぞれの枠組のゴールは
無関係の内容ではなく、相互に連動していることが特徴です。
リソース不足解消のための具体策
①グローバルスタンダードと合致した計画・国際的権威の力を借りる
気候変動の影響が農業への深刻なダメージをもたらす結果となるという
ことの重要性と、そのための事前アプローチの方策(適応計画立案等)
については先月のブログでお伝え致しました。
しかしながら、策定する種々の計画内容が、思い付きの、自分たちの空間
にしか通用しないような適当な内容であっては、何ら問題の解決に
つながりません。
計画づくりを行う際には、先に述べたような国際的な枠組や
世界的な基準に照らし合わせた内容とする必要があります。
つまり、決して個別的な不平や不満ではなく
あくまで地域の農業に深刻な影響をもたらす脅威に対する
合理的説得力が伴ったものとしなければなりません。
そこで非常に役に立つのが、国際標準規格(ISO)です。
国際標準とは、(製品の)品質や性能、安全性などに関する
国際的な取決めに関することです。
2019年には、気候変動適応の分野で初となる国際標準規格
が発行されました。(アンブレラ規格:ISO14090~ISO14093)
とりわけ、ISO14092では地方や、事業者、地域住民に焦点を
当てた内容となっており、国家レベルだけでなく、こうした計画
づくりを行う上での国際標準を誰もが容易に確認できます。
生産者を中心とした農業に関する計画を行政と共に立案していく
段階では、このような指標等をもとに策定し、自分たちが暮らす
地域の将来予測や影響評価などを行っていくことが不可欠です。
ちなみに、長野県には県が運営している
「信州・気候変動適応プラットフォーム」があります。
こうした有益なサイトでは、長野県内の様々な適応に関する
取り組みを発信しています。
また、他の地域にはない固有の特性を持つ長野県の自然環境は
気象の変化に非常に敏感であり、絶滅危惧種のレッドリストには
数多くの生物種が指定されている状況です。
長野県内には、こうした喫緊の課題を解決するために様々な
研究・学術機関が集まっています。
日本人にとっては当たり前のことと認識されているかもしれませんが
自分たちが暮らすまちの中に、大学等の研究者が集まる機関が
複数存在するということは世界的に見ても非常に稀有であり
大変恵まれた環境と言えます。
残念ながら、多くの国や地域ではこうした状況にはありません。
したがって、自分たちの圃場がある地域の課題を、地元にゆかりのある
研究機関等に相談し力を借りることは一つの有益な手段となりますので
地域のリーダーを務めている方々は「地域の声」を具現化する意味でも
こうした機関に是非とも一度コンタクトを取られてみては如何でしょうか?
②科学的根拠に基づくアプローチ
①の内容・先月のブログ内容と一部重複するため、詳細は割愛しますが
一つ重要な視座として、地域の課題を解決するためには必ず行政を
巻き込む必要があるということ、また、感情論だけでは
なかなか行政機関は動いてくれないという点を重ねて強調しておきます。
つまり、論拠(ロジック)に基づいた方法論が必要不可欠となります。
官公庁ではこうしたアプローチをEBPM(Evidence-Based Policy Making:
科学的根拠に基づく政策立案)といい、昨今ではこの言葉を聞かない日は
ないというくらい行政が担う各種事務事業の中で採り入れられています。
前回のブログ内容で紹介したツールを使用すれば、時間をかけずに
しかも無料でこのような科学的根拠に満ちた正しいデータを掲示すること
が可能となります。
企業も住民も、ここに整合した要望内容としていくことが肝要です。
③適応成功/失敗事例・要因分析
上記①、②だけではまだまだ不十分です。
リソース不足を解消するためには、自分たちが暮らすまちと
同じような地域、同じような分野で課題を抱える人々の
事例から学ぶということが最も手っ取り早い方法です。
同時に、事例を研究するだけでなく、その成功または失敗となった
背景的要因に加え、どのような要素が絡み現在の結果をもたらしたのか
という要因分析(※3)も併せて詳しく調べてみるということが大切です。
農業分野を含む取り組みの参考例として、下記のリンクをご紹介致します。
◎気候変動適応情報プラットフォーム:国立環境研究所(NIES)
・このサイトは、国内の様々な地域や企業、そして個人までもが
取り組んでいる有益事例を多数紹介しています。
長野県庁の取り組みはもちろん、全国の様々な農家などの事例が
紹介されていますので、自分たちの暮らす地域の課題解決の一助
となるはずです。
・参考URL https://adaptation-platform.nies.go.jp/
◎気候変動適応技術の社会実装ガイドブック
・長野県の絶滅危惧種「雷鳥」や、稲作などの農業分野、農村地域の防災
対策などに関する詳細情報が掲載されています。
リソースなど何もなかった人々が、どのような過程を経て、自分たちの
暮らす地域の課題を如何にして克服に導いたのかについてのヒントが
多数紹介されています。
・参考URL https://www.restec.or.jp/si-cat/_public/202003/SI-CAT_Social-Implementation_GuideBook.pdf
※3
費用便益分析など高度な専門的知識を必要とする手法もありますが
クロス集計や、SWOT分析など一般の人々が行うことのできる方法
も多数存在しています。
終わりに
さて、如何でしたでしょうか?
リソースがないのは、どの国、どの地域、どの企業であっても同じです。
しかしながら、お金も時間もかけずに、世界のどこの地域でも通用するような
ルールに則り、ITと有益なツールを駆使すれば(地域の)難しい課題
であっても対策をしていくことが可能な時代です。
正に”think globally, act locally(地域の経験を活かし、世界を変える)”
ということですよね。
先ほど「国際的なフレームワークに沿った活動を行っていない企業等は
今後銀行からの融資も受けられない状況へと追い込まれていく」
と書きました。
世界はあらゆる課題が山積しています。
2030年までにグローバルターゲットのゴールを達成できなければ
生来的に地球環境が持つ自己治癒能力を遥かに超え
破壊が破壊を呼ぶ破滅的な世界へと変貌してしまいます。
だから、いずれのグローバル・フレームワークも
2030年にあらゆる到達目標を課しているわけです。
コロナは人類と数種類の哺乳類の課題でしたが
気候変動は地球上の全ての生物への課題です。
その意味で、前者は中間試験、後者は期末試験のようなものです。
中間試験に失敗してしまえば、当然のことながら期末試験をクリア
することは恐らく不可能でしょう。
コロナ禍を通し、「競争」よりも「協力」の時代へと
変遷していることを我々人類は目の当たりにしました。
幸いにも、世界はいまアフターコロナの時代になりつつある状況です。
悲しくも痛ましい多大な犠牲を払うことになった長き闘いでしたが
何とか人類はこの試験をパスできそうなところまで来ました。
我々農業関係者ができることは、まだまだ無数にあるはずです。
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