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オランダ東会社から会社制度の起源を考える
経営推進部の法務担当・IPO準備室の町田です。
今回は、会社制度の起源について執筆したいと思います。
会社の起源を知ることで、会社の本質を理解することができます。
普段私たちが接している会社とは、どのようなものなのかについて、会社の本質から考えてみたいと思います。
会社(カンパニーcompany)とは
会社は英語でカンパニー「company」です。
その語源は、「一緒にパンを食べる仲間」にあるといわれています(ラテン語のcom「共」にとpanis「パンを食べる」)。
日本語の語源は、「団体」「集団」を意味する和製漢語です。
会社とは、当初は、同じビジネス上の目的を持った数人がサークル名やチーム名を掲げたというような使われ方であったのでしょう。
会社が現代まで利用された背景には、ビジネスを行う上では、個人の資産や知識などに限界があるため、複数人の者がそれぞれが協力し合ったほうが利益を生み出しやすいという経験を重ねた結果ということができます。
会社制度の発展
会社は、主に16世紀のヨーロッパにおいて、アジアからコショウなどの香辛料、陶器、繊維などを輸入するために利用されていました。(ちなみにコショウには強力な防腐・防虫作用があるため、当時の生肉の長期保存には欠かすことはできず、金と同価値でした。)
個人ではなく会社で行われてきた理由は、以下の点にあるでしょう。
すなわち、輸入は大型の帆船で行われますが、航行には多くの人員が必要とされます。
そのため、食料や給金など多額の出資が必要とされ、加えて難破や海賊による略奪などのリスクもありました。
このように貿易には多額の資金が必要だったため、会社という組織により活動されていたのです。
初期の会社は、航海ごとに会社が設立され、航海ごとに解散されます。
そして、輸入品を売却して得た収入を、当初出資した割合に応じて全て分配されていました。
以上が、原始的な会社制度になります。
1602年 株式会社の誕生(オランダの東インド会社)
それまでの原始的な会社では、出資者は、無限責任を負っていました。
無限責任とは、出資者は、会社から分配による利益を受ける一方で、会社に負債が残った場合には無制限にこれを肩代わりする必要があったのです。
そのため、出資者は、出資した金額以上に損失を負う可能性があります。
このことから、出資をすることができるのは一握りの資産家などに限られていました。
当時は、ヨーロッパ各国が、我先にと、アジアでの貿易を競い合っていた時代です。貿易による利益を得ることが国力をあげるための重要課題でした。
そこで、オランダは、より多くの出資を集めるために、出資者は会社の負債を負わない(有限責 任)とする会社を作り出しました。
これが1602年に設立されたオランダの「東インド会社」であり、現代の株式会社の起源とされています。
まとめ
株式会社は、有限責任としたことでより多くの出資を集め、活動の規模を拡大し利益を追及できたことから、現在に至るまで発展してきました。
株式会社の起源からみると、株式会社の本質は出資者の有限責任にあるということができます。
ただ、現代においてもこの点は重要ですが、それ以上に重要といえるのが、有限責任としたこと により、株式が自由に売却できるという点にあります。
この点については、株式の価値に関する記事で、詳しく執筆したいと思います。 今回は、会社の起源から株式会社の本質について執筆しました。
以上
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